【ゲーム感想】やり込むのは『まだ』早い。 FGOアーケードをプレイしてみた。

【ゲーム感想】やり込むのは『まだ』早い。 FGOアーケードをプレイしてみた。

FGOアーケードをプレイしてきた。

結論から感想を言うと、すごく興奮した。そしてすごくがっかりした。

良いところはある。だが、それ以上にゲームとしてあまりに未熟すぎる部分が目立つ。

そんな印象を拭えなかった。

 

先に言っておくとぼくはFGOというゲームが大好きだ。

FGOというゲームを貶めるつもりはない。

普段はゲームセンターには一切通わないが、大好きなFGOがアーケード化するということで場慣れしないフィールドへと足を運ぶ覚悟を決めた。

グレイルウォー(オンライン対人対戦)は未プレイなので、対人対戦系の感想記事は別を当たってほしい。

 

ちなみに2018年9月25日まで、星4以上のサーヴァント(レアリティが高く、排出されにくい)が100円で必ずゲットできるキャンペーンが実施中なので将来性を見据えるならこのためだけにプレイしに行くのも良いかもしれない。

 

ぼくはヘラクレスを引き当てることができた。満足。

 

それでは話が逸れないように本題に入っていきたい。

FGOアーケードの見どころ

推しのキャラクターが3Dグラフィックでぬるぬる動く

 

リアルタイムバトル制ということでキャプチャはほとんど諦めたが、ターン制と違って流麗に動き回るサーヴァントたちを見るのは実に楽しかった。

ボイスもほとんど新規再録で安易な流用はないのでソーシャルゲーム版との違いを楽しむのも乙なものだ。

 

また、サーヴァントは物理カードで管理することになるが、デジタルではなくあえてカードという形で推しのサーヴァントを「持っている」と満足感を与える粋なゲームデザインだ。

ちなみに上の画像がぼくが入手できたサーヴァントと礼装だ。

星4のサーヴァントはジークフリート、カーミラ、エリザベート、アルトリアオルタ、ヘラクレスをゲット。

一見大当たりのように見えるかもしれないが、現在はサーヴァントの実装数が少ないこともあってさほど珍しいことでもないような気がする。

礼装もレアリティが高いものを引くことができて満足だった。

しかしカードが小さくフレーバーテキストがどこにも書いていないのことがちょっと残念。

 

それから注意喚起として挙げておくが、物理カードだからと言ってカードショップでシングル購入することは控えることをお勧めしたい。

なぜなら、パーティ編成と強化はできるものの、再臨ができないからだ。

途中までは頼もしいが、ゲーム進行に伴いパワーレベルが頭打ちになってしまうという欠点になり得る。

美麗なイラスト目当て以外なら手を出さないことを推奨する。

簡単な操作で爽快感のあるアクション

 

ゲームの操作方法は実に簡単で、そして痛快なエフェクトと相俟って爽快だ。

ターゲットを設定後にスティックで移動し、アタックボタンを押す。

防御も敵の攻撃に合わせてアタックボタンを押すだけ。

あとはスキルやコマンドカードとの組み合わせで強力な攻撃を食らわせることもできるが、何分初心者でそこまで気を配ることができなかったこと、ご容赦願いたい。

ちなみに宝具ボタンについては後述するがかなり難があって積極的に使用することはほとんどない。

 

FGOアーケードの良くなかったところ

時間制限がきつい

FGOアーケードの経験者なら誰でも感じるだろうが、このゲームは時間との戦いである。

クエスト中に制限時間が設けらるのはまだ良い。

だが、メニュー画面でも設定される制限時間のインターバルがあまりに短すぎる。

20秒を経過するとGP(ゲームをプレイするに必要なポイント)が1秒につき1ポイント減るという無情な処理が始まるのだ。

 

 

次のクエストを実行するか、召喚したサーヴァントや礼装の印刷中は処理が中断するが、あまりにも無慈悲ではないだろうか。

サーヴァントの育成中だろうが構わず減っていくので、レベルやスキル上げの最中だろうが、クエストの難易度に合わせたパーティの編成中だろうがおかまいなしに減って行く。

また、サーヴァントはクエスト後に自動でレベルアップすることはなく、クエストで手に入る再臨素材や種火を捧げることによってはじめて強くなる。概念礼装はカードに効果が書かれていないため、ターミナルでしか確認する事ができない。これだけ手間がかかるとわかっているのに、短いインターバルでGPを容赦無く減らすという所業に呆れるしかなかった。

稼働率や交代制限といったキーワードが売り上げに関与するということぐらいは分かるが、次のクエストに遷移するまでのプレイヤーのアクションを予想できないって運営としてどうなのだろう。

宝具が発動しにくい

宝具ボタンが個別に設置されているので楽しみにしていたのだが悲しいかな、その「とっておき」を発動する機会はほとんどなかった。発動の条件が厳しすぎた。

宝具ボタンを数秒押し続けるだけなのだが、リアルタイムバトル制との相性は悪すぎた。

途中で攻撃されると中断され、また範囲を外れても意味がないと来た。

上の画像は大変苦労して発動したカーミラの宝具だが、達成感よりも「アタック連打で良かったかな」という疲労感しか残らなかった。

宝具発動のためのNP溜めに苦労して、発動にも苦労するという困った仕様だった。

発動の仕組みは手軽にできるようにしていただけると有難い。

 

複数の敵に囲まれると何もできない

サーヴァントは3体までパーティに編成できるが、操作するのは1体だけだ。

操作中は他2体の支援もない。なのにNPC側は複数で襲いかかってくる。

シャドウサーヴァントと相対している中で死角から別のシャドウサーヴァントの横槍が入って何もできずに退場ということもしばしば。この状況に陥ると回避と防御もままならないまま一方的に殴られがちだ。宝具なんてもっての他だ。

 

英霊召喚チームバトルが売りのはずなのに、肝心のチームプレイが適用されるのはNPCだけというのはあまりにいただけない。

 

遠距離系のサーヴァントが強すぎる

現環境では遠距離からの攻撃が一方的に相手を制圧できるため、バランスが悪く感じた。

例えばアーチャーやキャスターは遠距離メインで戦うが、距離をとってアクションボタンを適当に連打しているだけでNPC相手なら余裕で勝利できてしまうという光景を良く見た。

これも複数対複数の対戦構図が出来上がれば緩和されると思われるので、アップデートを待つとしよう。

 

クエスト酬呼符、10連召喚

 

最も悪い意味で驚かされたのがこの仕組み。

クリア後に有償で10回連続で召喚できる権利を得るための聖晶粒(2500粒で10連召喚の準備ができる)と、有償で1回召喚する権利を得られる呼符が手に入る。

そう、どちらも「無償で召喚できる」ではなく「有償で召喚できる権利」を得られるだけの代物なのである。

呼符の場合は1クレジット(100円)、10連召喚の場合は10クレジット(1000円)を要求される。

加えて呼符はスルーすると召喚権自体が消滅し、また聖晶粒は2500粒(10連分)以上のストックができない。

どちらも支払ったところでGPが増えるわけでもないということがわかったので、ぼくはがっくりと肩を落とし、呼符は完全にスルーしてプレイすることにした。

多くは語るまい。早急な改善を望む。

まとめ

いかがだっただろうか。

よろしくない点ばかりにフォーカスしがちかもしれないが、ゲームとして満足できた点は確かにある。

家庭用ゲーム機に移植されたのなら、ぼくは躊躇わずに買う。

ただ、今のままではゲームというエンターテイメントである以上に時間やお金に関連した「搾取」というキーワードが脳をよぎることも確かだ。このままではこのゲームの楽しさを、自信を持って語ることができない。

この記事は2018年9月現在のものだが、いちFGOファンとして環境が改善されることを願ってアップデートの度に足を運び、記事も更新し続けていきたいと言う思いはある。

クリエイターがものづくりをするためにお金という投資は必要だし、リスクを取らずに批判をするような人間にはなりたくないからだ。

お願いします開発会社の皆さん。失望したままにさせないでくれ。