【ゲーム感想・ネタバレ無】AI:ソムニウムファイル感想。操作性はイマイチだが、後半の追い込みが凄い!

【ゲーム感想・ネタバレ無】AI:ソムニウムファイル感想。操作性はイマイチだが、後半の追い込みが凄い!

個性的なアドベンチャー・ノベルゲームが好きだ。

『逆転裁判』、『ダンガンロンパ』、『ゴーストトリック』といったゲーム制作者達の遊び心がふんだんに詰まった名作は今なおゲーマー達の間で愛され、語り継がれている。

今回紹介するゲーム『AI:ソムニウムファイル』もまた制作者達の意欲的な姿勢が大きく反映されたゲームだ。

決して万人受けはしないだろうが、個性的なアドベンチャーゲームが大好きなら是非プレイをオススメしたい。

感想はネタバレ無しなので購入を迷っている人は検討してみてほしい。

ただしこの手のゲームには珍しくCEROレーティングがZ(18歳未満は購入不可)でグロ要素もあったりする。

グロが少しでも苦手なら購入は避けると良いだろう。

AI:ソムニウムファイル


11月のとある金曜日の夜。
降りしきる雨の中、ひとりの女性の遺体が発見された。


場所は廃墟と化した遊園地のメリーゴーランド…。
その遺体の顔には左目がなかった。
どうやら犯人にくり抜かれ、奪われたらしい。


一報を聞きつけ事件現場に訪れた刑事、伊達。
彼は遺体の顔に見覚えがあった。
なぜ、彼女が――


――これは、夢と現実を捜査し、失った記憶と因縁の殺人犯を追う、ある刑事と相棒の物語。

本作の見どころ

ハイクオリティなキャラクターグラフィック

3Dで作られたキャラクターは実に完成度が高く、そしてよく動く。

カクカクだけど精一杯頑張ってみました、みたいな残念グラフィックではない。

ヒロイン(?)で女子高生アイドル「A-set」を名乗る左岸イリスに魅了される男性プレイヤーはきっと多いことだろう。

惜し気も無く使用されるハイクオリティな技術

アドベンチャー・ノベルゲームというと表示されるテキストを読み進めるだけのゲームだと思い込みがちかもしれないが、本作では日常の何気ない会話から大真面目なシーンまで、惜し気も無く手の込んだ技術が使用される。

その手間は膨大であったことは想像に難くないが、プレイヤーに分かりやすく、そして楽しませようという気概を感じる。

コミカルで個性的なキャラクター

打越鋼太郎監督作品に触れるのは初なのでこういう作風なのかは分からないが、主人公を含めて個性的なキャラクターばかりだ。

主人公の相棒を務めるアイボゥ。

記憶と左眼を失った主人公の義眼であり、超高性能のAIを備えた頼りになる存在だ。

機械的な感情ではなく、あたかも生きた人間のように振る舞うのが特徴的。

なぜか昆虫を見ると興奮する奇癖があるのはご愛嬌。

調べるアクションを行うと都度違うリアクションが返ってくるという作り込みの細かさも好感触だ。

主人公の伊達鍵(だて・かなめ)もやけに陰のあるヴィジュアルだが、カウンターに座っている受付嬢を調べまくるとこのリアクション。

完全にエロ星人ですね分かります

エロ本に対して異様なこだわりがあるのか、あらゆるシーンでネタとして出てくるので、気になる人は関係のない人や物を調べまくると良いだろう。

ちなみにメインキャラクターだけでなくモブキャラクターも全フルボイス

主人公のブラフには全く動じない癖に、エロ本を必死で探す名も無きボディガードにはちょっとリスペクト。

物語解決に向けて、後半の追い込みが凄い

ネタバレはしない方針にしているので語れないのが辛いが、こればかりはプレイしてもらう他ない。

主人公は警察の秘密組織に属する捜査官で、基本的に足で事件を追う捜査パートと重要参考人の夢の中で真相の手がかりを探るソムニウムパートの2種類がある。

どちらのパートも得た情報は後々真実を明らかにするために必要なものなので、一度プレイを始めたらインプットした情報を忘れないためにも、駆け抜けるつもりで一気にプレイしてみてほしい。

本作のイマイチな点

シリアスな場面でも緊張感が台無しな操作パート

物語を硬化させないためにもコミカルさというのはある程度必要だろう。

だが、それをシリアスな場面にまで取り込んでしまったのは完全に失敗だった。

命のやり取りをしている中でエロ本に群がる敵の集団だとか、エロ本という単語を耳にしただけで通常の3.6倍で敵陣を駆け抜ける主人公などはその最たる例で誰が得をするのかさっぱり分からない。

ほぼ全ての戦闘場面においてエロ本ネタを突っ込むというのは斬新だったが、面白くなかったなというのが正直な感想。

QTE要素

ゲームのプレイ意欲を削ぎやすい要素としてしばしば物議を醸し出すQTE要素が本作にも取り込まれている。

一定時間以内に条件を満たせないと即ゲームオーバーになるこの要素は果たして必要だったのかと聞かれると疑問しか残らなかった。

世界観を損ねるチートなキャラクター

武装した大の大人を圧倒する小学生、ほとんど全てのパソコンにハッキングを仕掛けられる高性能AIのアイボゥなど、バランスブレイカーなキャラクターが多かったのは減点。

活躍するのは伊達じゃなくても良いのでは?と思う場面もちらほら。

意味不明な行動を求められるソムニウムパートとその操作性の悪さ

重要参考人の夢の中を捜査するソムニウムパートでは突飛な行動を取ることが進展の糸口になることが多い。

しかしその行動はノーヒントに近いものがあって、手探りでトライ&エラーを繰り返す事になる。

加えてソムニウムパートでは行動時間が上限6分という制約がある。

ロールバックしてリトライすることも可能だが、煩わしいことこの上ない。

あと言っておきたいのが、マップの見づらさが最悪。

自分の現在位置から調べたい対象までどれぐらいの距離感があるのかさっぱり掴めない。

中には狭い暗闇の中を彷徨うようなマップもあったりするので、ストレスもマシマシ。

アップデートで改善されるかもしれないが、検証している時にストレスは感じなかったんだろうか。

総括

意欲的に様々な要素が投入されている反面、各要素のユーザビリティが洗練されていない印象があった。

しかし読後感は爽やかで、個性的でコミカルなアドベンチャーゲームが好きだという方はプレイしてみてほしい。

繰り返しになるが、グロ要素は絶対にダメ!という方は購入を控えると良いだろう