【ゲーム感想】シャドウオブザトゥームレイダー感想。探索に特化した良質なアクションアドベンチャー。
- 2019.10.18
- ゲーム

先日から熱心なファンの間で話題となっていた『シャドウオブザトゥームレイダー』の完全版発売が正式アナウンスされた。
本編の発売後にリリースされた全DLC7種に加え、新規装備が同梱された「Difinitive Edition」が全部入りの完全版。
発売はまだ先になるが、本編はとても魅力的なゲームだったので感想を書いておきたい。
本作がどんなゲームかというと若き女性考古学者「ララ・クロフト」誕生を描いたリブート三部作の最終作だ。
三部作とは言ったものの、それぞれが独立して完結していることもあってどこから手を出してもある程度楽しむことができるのが特徴だ。
そしてもう一つ大きな特徴がある。本作は戦闘よりも探索に特化したゲーム設計となっていること。
戦闘よりも探索・トレジャー要素が好きなプレイヤーにとっては満足ができる仕上がりになっているので、相場が1500〜2000円の現在(2019年10 月時点)なら値段相応以上のクオリティだと感じるはずだ。
シャドウオブザトゥームレイダー

本作の見どころ
映画級のダイナミックな逃避劇が楽しい

本シリーズでもたびたび行われる自然災害や多数の敵からの逃亡劇はスリリングで実に楽しい。
ララが動き回る中で立て続けに足場や建物が崩壊していく様が圧巻のクオリティで描かれる。
女性一人を仕留めるのにそこまでするかよ!と思ってしまうほど敵は徹底的に追い詰めてくるが、そこはゲームなのでご愛嬌。
逃走中は咄嗟の判断力が求められることが多くゲームオーバーになりがちだが、リスポーン時間が短いこともあってゲームへの集中力が途切れにくいのも評価したい。
適度なひらめきが試されるパズルのようなギミックが秀逸

本作は前2作と異なり探索に寄ったゲーム設計をしており、大掛かりな仕掛けの数々が目を引く。
仕掛けを攻略するために動きを観察し、考察と並行して操作し正解に近づけていく。攻略した仕掛けはまるでパズルのようで、ロジックの破綻がない点に感心してしまう。
仕掛けはストーリーや寄り道のサブクエストまで広く点在しており、攻略のアプローチがそれぞれ異なるため、最後まで飽きることなくプレイすることができた。
ほとんど全てのエリアに再訪問が可能

本シリーズはたびたび『アンチャーテッド』シリーズと比較される。プレイしてみるとわかると思うが、類似した性質を持っているからだ。
それでも『アンチャーテッド』シリーズとの大きな違いをあげるとするなら、本シリーズはマップがハブのような、枝分かれ構造をしていることだ。
完全な一本道ではなく攻略にプレイヤーの裁量があり、メインストーリーを進めた後でも一部除き再訪問が可能だということ。
メインストーリーだけ進めたいプレイヤーはその通りにすれば良いし、寄り道したければトレジャーを集めたり遺跡に入って仕掛けを攻略し強化アイテムを入手することもできる。
そしてこの仕組みは探索に特化した本作との相性がとても良い。まだ見ぬ宝を求めて探検するという冒険感が常に感じられた。
本作のイマイチな点
戦闘場面が少ない

自身に泥を塗ることでカモフラージュして敵を倒すという泥臭いステルスアクションができるようになったのは面白かったが、戦闘の場面自体が少なく活かせる場面が限られたのは残念だった。
これまでは戦闘の合間に探索という要素があるという感覚だったが、本作は探索の合間に戦闘があるという感じだった。
アマゾンの評価を参考にしてみると気付くだろうが、本作に不満を感じたプレイヤーの多くは戦闘が少ないことに対してだともいわれている。
どうしても多くの戦闘をこなしたいのなら、本作は避けて通るのが無難なのかもしれない。
悪役に魅力を感じにくかった
ララと因縁があるのは「トリニティ」と呼ばれる組織なのだが、迂闊な場面が多く魅力を感じにくかった。
生殺与奪の権利を握っておきながら隙をついて逃げられたり、殺したと言っておきながら殺していなかったりする。
またララたちが宝を持ち帰るところを横取りしようとするワンシーンがあるのだが、これは過去に使い古された展開であり既視感がものすごい。
悪役らしい見せどころが他に用意されているのかと期待していたがあっさりやられてしまったりして、記憶に残るところがなかったのが残念だった。
武器をカスタマイズすると性能が似たり寄ったりになりがち

武器はハンドガン・ショットガン・弓があり、それぞれ中継地点で強化をすることが可能だ。
サブクエストのクリア報酬や店で売り出されているものを買うこともできるので種類はあるのだが、強化すると性能が似たり寄ったりになりがちで、使っていて違いが実感しにくかった。
それぞれの武器は初期の1種のみで、それを徹底的に強化させるだけで良かったのでは…なんてことを思ってしまう。
総括
探索に寄ったことで犠牲になってしまった良さがあったのは残念だと思うが、それを補える魅力が本作にはあった。
戦闘よりも探索が好きだ!というプレイヤーは買って損はない。
「Difinitive Edition(完全版)」の発売を待つのも良いが、2000円程度で安く本編を購入し、気に入ったら追加でDLを購入するという選択もアリだろう。
完全版で新規追加されるのは装備品であって、追加のストーリーではないからだ。
値段的には本編+お好みでDLCを買うというのがお得かと。
シリーズ未経験ならこれを機に興味を持って過去作をプレイしていただけるなら幸いだ。

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